2021年 11月の読書記録
なんだか調子が悪かったので更新が遅くなっちゃいました。
加えて今月(12月)は全然読めてなくて、このまま年越しになりそうです。
- その英語、本当にあってる? ネイティブならこう答えます
- 人体600万年史(上):科学が明かす進化・健康・疾病
- 人体600万年史(下):科学が明かす進化・健康・疾病
- 世界平和は一家団欒のあとに
- 阪急電車
- 星の王子さま
その英語、本当にあってる? ネイティブならこう答えます
YouTubeで観てるチャンネルの本。 動画と同じノリでフレーズや単語をどう使うかというのを楽しく説明してくれる。 特にスラング紹介はなかなかないと思うのでいいね。サクサク読めた。
人体600万年史(上):科学が明かす進化・健康・疾病
最近よくある「縄文時代の生活が健康」みたいな本に対して「本当か?」と疑問になっていたので読んだ。
人類の健康や病気について適応(進化)という視点から切り込んでいく。特にこの上巻では、類人猿からホモ・サピエンスまでの適応の軌跡をたどる。 その結果わかることは、現生人類は文化的進化により他の旧人類に勝ったということと、人類の体はより多くの子孫を残せすために適応していて、決して自らが健康になるためには適応していないということ。
そして現代では身体の適応と文化的進化による生活の間でミスマッチが起きていて、その結果さまざまな病気にかかる。そのミスマッチの具体的な内容は下巻へと続く。あらゆる出典にあたりながら進む内容は納得感があるしとても面白かった。
人体600万年史(下):科学が明かす進化・健康・疾病
とっても面白かった。
下巻では人類の進化と環境のずれによるミスマッチ病について解説している。人間は糖質や脂肪を求めるように適応してきたが、それを自制するようには適応していない。 その結果、甘いものや脂肪たっぷりのものを食べ、運動をせず快適に過ごすことで体に不調が生じ、2型糖尿病や骨粗鬆症などにかかる。
そして現代人は病気への対処はするが、根本的な予防や解決にはあまり関心がない。一貫してこれらの病気の根本から改善していこうという主張がなされている。ただ、あくまで現代の食べ物や乗り物を否定しているわけではない。
食事に関しては狩猟採集時代に食べていたようなものを食べれるといいねという感じ。『最高の体調』ぽさがあり、「『最高の体調』みたいな本に対して疑問に感じていた」という動機に対するひとつの答えは得られたと思う。
最終章では解決するためにどのような方法をとることができるかを述べている。 最終的に、意思の力で身体を支配することは不可能なので、環境を変える必要があるという結論に至る。それには政府や社旗的組織による規制などが必要になる。
これは納得した。個人の自由や企業の利益をどう扱うかなど、実現するには大きな壁があるし、環境問題にも近しい部分があるような気がする。 個人的には食品や運動などといった健康の問題も、もっと活発に改善する動きになるといいなと思う。 こういう結論になる度、世界って難しいなぁって気持ちになる。
世界平和は一家団欒のあとに
名前だけ知っていて、図書館で見つけたので読んだ。
タイトルとあらすじでスーパーパワーを持った家族が世界を救う話なのかなぁと思っていたら全然そんなことはなく、家族愛の話だったのが意外。これは当時にしたらなかなかない設定かも。 文体が結構きついな〜もうラノベ読めないのかな自分と思っていたんだけど、主人公が心決めたあたりからは入り込んで読めた。
阪急電車
8駅片道15分の阪急電車を舞台にした小説。各駅ごとで物語が繰り広げられ、電車は折り返して宝塚駅まで返ってくる構成。登場人物それぞれの物語はささやかに交差して、最後にはそれぞれの癒しになる。
すごく温かい作品だった。 個人的には前半の小林駅の優しい風景が胸にきたなぁ。めちゃくちゃ好きな本になった。阪急電車に乗りたくなるね。
星の王子さま
中学生の頃に読んだものを再読。
いろんな星の人々が出てくる部分は大人を風刺していると思うのだけど、当時は全然イメージがつかなかったし、キツネや花との話もよくわからなかった。 それがある程度大人になって読むと、こういう大人いるなぁと感じるし、キツネや王子様の言葉が胸に刺さる。
おとなたちのことを理解できなかったあの頃はまだちゃんとこどもだったなと思うと同時に、自分もおとなのひとりになってしまっていたとはっとさせられた。いちばんたいせつなことは、目に見えない。これからは大切なものを大切にできるようになりたいな。